矢吹和之(やぶきかずゆき)

 民謡家の両親の元に生まれ、民謡に慣れ親しんだ幼少期を過ごす。
 プロの三味線奏者の多くは、幼少期から叩き込まれて習得していくが、二十歳を超えた頃、生の津軽三味線の舞台を観たことをきっかけにインスパイアされ、津軽三味線を始める。

 人生を彩るような三味線の音色に惹き込まれ、本格的に芸の道を志すとともに、津軽民謡の名門である「中村民謡会」へ入門。二代目中村隆志の内弟子となり修行する。
 師匠中村隆志の下で、現代では稀になってしまった「内弟子」としての修行をするなか、内に秘めていた三味線への情熱が溢れ出る体験をきっかけに、より多くの人に三味線の素晴らしさを伝えたいと決意し上京する。
 現在は、東京を拠点に各地の舞台や公演、テレビ、ラジオ等メディアにも出演、テレビCMの作曲を手掛けるなど幅広い演奏活動を展開している。

 津軽三味線の本筋である「唄付け(※)」ができる数少ない若手演奏家としてその実力は高く評価され、日本国内および世界各国からも演奏オファーを受けている。

【受賞歴】
 2010年:第29回津軽三味線全国大会にて唄付け部門で優勝。
 2012年:第6回全日本津軽三味線全国競技会名古屋大会一般の部Aクラスにて優勝。
 2014年:第17回津軽三味線コンクール全国大会にて優勝。
 2017年:第11回津軽三味線日本一決定戦日本一の部にて曲弾き・唄付け部門ともに優勝。

※唄付け = 津軽民謡の歌に即興で応えていく津軽三味線本来の高度な技術